About Us
● SODAができた背景
こころの病は生涯5人に1人が経験すると言われれており、その多くは25歳までに発症すると言われています。また、若者の自殺が増加していることや、こころの病が若者の健康生活が損なわれる原因の第一位であるということから、「病気のリスクがある状態から支援をして困難を軽減し悪化を防ぐこと」や、「早期の段階で適切な治療や支援に繋ぐこと」の重要性が、世界的にも強調されています。しかし、若者が抱える問題はとても複雑で、メンタルヘルスの不調は様々な心理社会的問題と関連しており、ご自身が不調を自覚していないことも多くあります。「困っているけど、何からどうしていけばよいかわからない」「もやもやしているけど理由がよくわからない」ということも少なくありません。また、不調を自覚していても相談する場所がわからず、一人で悩みを抱えたり、医療機関への受診もハードルが高く繋がりにくいというのが現状です。このような背景から、悩みや困難を抱えたとき、なんでも気軽に相談ができる窓口が必要とされてきました。
●海外の取り組みをモデルに
オーストラリアやシンガポールではすでに国をあげて取り組んでおり、各地域のショッピングモールなど若者が集まる場所に相談窓口が設置されています。若者がアクセスしやすいようカフェのようなつくりになっているなど環境に配慮されています。SODAはそれらを参考にしてつくられました。
オーストラリアheadspace視察
●これまでのあゆみ
2019年7月、厚生労働科学研究 MEICISプロジェクト(研究代表者 東邦大学医学部精神神経医学講座 教授 根本隆洋)により、医療法人財団厚生協会東京足立病院の協力を得て、東京都足立区の北千住に、ワンストップ相談センターSODAを開設。「見立て」「支援」「つなぎ」による早期相談支援を目的に、多職種専門チーム(精神科医・精神保健福祉士・公認心理師・保健師など)によりエビデンスに基づく、「包括的アセスメント」と「臨床型ケースマネジメント」を実施してきました。
「包括的アセスメント」というのは、支援を検討するために重要な「見立て」の部分です。生物(医療の必要性)・心理(心理的葛藤など)・社会(経済問題・不登校など社会生活における困難)の3つの側面から状況を整理しています。
「臨床型ケースマネジメント」というのは、「見立て」に基づいた「支援」と「つなぎ」のことです。SODAのスタッフが、心理的なサポートや、ご家族・地域の支援機関との連携を図るなど、直接支援を行いながら、適切な社会資源にスムーズに繋がるよう橋渡しを行なっています。
開所から2022年7月時点で1,000名を超える若者の相談が寄せられ、延9,000回以上の相談支援を行ってきました。安心して気持ちを話せるような関係づくりや環境づくりを何よりも大切にしています。
●それぞれの生き方に寄り添いながら
2019年の開所からこれまで、ご相談者はじめ地域の方々の繋がりに学び支えられながら、自分たちの役割を模索して参りました。皆様のご支援やご理解のお陰で、徐々にSODAが地域に受け入れられつつあると実感しています。本当にありがとうございます。
この度SODAは、2022年7月1日より、足立区の委託事業としてスタートすることになりました。「若者が生きていくうえで道に迷った時、安心して立ち寄れる場所であること」そして「自らの足で前に進んでいけるよう、寄り添いながら背中を押せる場所であること」を目指して日々邁進していきます。これからもどうぞよろしくお願い致します。
2022年7月1日SODAスタッフ一同
●スタッフ紹介
内野 敬(室長・精神科医)
暇さえあればTwitterを見ています。暇がなくても家系ラーメンを食べに行きます。困りごとや悩みを抱えた時、「誰かに相談をする」ということはとても難しいことだと思います。世の中に美味しいラーメン屋さんがたくさんあるように、相談ができる場所がもっともっと身近にあって、誰でも気軽に立ち寄れる社会になったら良いなと考えています。「困りごとを相談」ではなく「困らないために早めに相談」してもらえるような窓口を目指して活動しています。
小辻 有美(精神保健福祉士・公認心理師・社会福祉士)
私は猪突猛進でおっちょこちょいという特徴があります。創作が好きで、最近はアプリで絵を練習しています。様々な人の人生に触れ、一緒に悩んだり考えたりできることがこの仕事の最大の魅力だと感じています。SODAでは訪れた方が何より安心して過ごしてもらえるよう心がけています。SODAに行く日が楽しみになるような雰囲気づくりや関係づくりを大切にしています。「こんなこと相談してもいいのかな?」と思うことも是非お気軽にご相談ください。
飯田 さとみ(精神保健福祉士・公認心理師)
私は自己紹介と言われて何をアピールしたらいいか悩むタイプの人間です。他のスタッフが好きなものや趣味を書けるのがいいな…と思っています。
SODAに来る方たちの中には「自分に自信が持てない」と言う方が多いように思います。私も同じです。他人をうらやましく思ったり、自分にないものを求めてしまいがちです。でも最近は少しずつこんな自分でもいいのかな、と思えるようになってきました。SODAに来た皆さんにも少しでも“今の自分を認めていいかも…”と思えるようになってもらえたら嬉しいなと思っています。SODAでお待ちしていますね。
中島 朗子(精神保健福祉士)
たまらなく好きなモノは「布」。日暮里繊維街に行くと大変なことになるので、最近は近づかないようにしていますが、禁断症状が…。幼い頃から「心」に興味がありました。現象の中に潜む法則を見つけるのが好きで、まずは理系の道に。その後、「心」の道に軌道修正し、現在はSODAで相談を受けています。最初は解決策が見えなくても、お話を伺う中で一筋の糸が見えてきます。お一人お一人の話に耳を傾け、その方に合った方法で、絡まった糸を一緒に解いていきたいと思っています。どうぞ気負わずにお越し下さい。
北野 知地(精神科医)
旅が好きで地球儀を見ながら「生きてる間にどこの国に行けるかな」とよく考えています。メキシコに入国して南米の最南端まで向かう旅というのを空想中です。私は週1日SODAにいます。私から見てSODAのスタッフは皆個性豊かですがそこまでクセは強くなく、押しつけがましいこともなく、いじわるな人もいません。相談に来られる方々が少しでも安心できるようにと皆思っています。お試しでもいいので一度来てみてください。お待ちしています。
鈴木 由香子(精神保健福祉士・公認心理師・社会福祉士)
数年前から、とあることをきっかけに写真を撮ることを始めました。写真は選択の連続です。どんなカメラやレンズを使うか、何をどう、いつ撮るか、撮ったものの中からどの写真を選ぶかなど。それは自分の中のぼんやりとした「好き」や「心地いいもの」、「嫌じゃないもの」を少しずつ辿っていくような作業です。写真を始める前は、映画鑑賞や美術館巡りなど、誰かが作ってくれたもので楽しむ趣味ばかりだったのですが、写真によって、物事の見え方や生活が少しだけ変化したのを感じています。SODAでの相談も、皆さんにとってそんな存在になるといいな、と思っています。いつでもお待ちしています。